眠気を診断できる医療機関で診断を
日中眠いという症状は、不眠とちがって診療してもらえる医療機関が限られています。日中の過度の眠気はEDS (Excessive Daytime Sleepiness)といって、睡眠医学においては非常に重要な症状の一つです。日中眠いということについて、適切に診断し治療をしていくことにより、日中の眠気が取れるだけでなく、気分が向上し、集中力が上昇し、効率的に仕事や勉強ができるようになることが期待されます。ここでは、どのような病気が考えられるのか、また、それぞれにしてどのように診断して治療するのかを解説します。
どのように診断するか
日中の眠気についての診断方法を図に示しました。日中の眠気の診断で最も大切なのは、丁寧な問診をすることです。
睡眠不足
その中でも意外に多いのは睡眠不足です。例えば、6時間の睡眠をとっているので大丈夫と言う人でも、その睡眠時間がその人に必要な睡眠時間として、十分でない可能性も有ります。したがって、睡眠不足が疑われる場合には、まずは2週間の長時間睡眠(8時間以上、できれば9時間)を取っていただきます。この上で日中の眠気が改善するかかどうかを判定し、次の検査を行うようにいたします。
⇒ 2週間の長時間睡眠とはどのようなものですか?
睡眠時無呼吸症候群
この他の疾患があるかについても注意深く問診します。ひどいいびきなどがある場合は、睡眠時無呼吸を疑います。これには、まず自宅でできる簡易型の無呼吸睡眠検査を行います。これは長時間睡眠の中の一晩を使って行うことも可能です。
⇒ 睡眠時無呼吸の簡易検査はどのようなものですか?
ナルコレプシー / 特発性過眠症 / その他の睡眠疾患
これらの疾患が疑われれば、MSLT検査や、終夜睡眠ポリグラフ検査を行うことになります。MSLT検査は当院において行うことができますので、予約をしていただきます。また、一晩医療施設に宿泊(入院)して行う検査については、当院と連携している彩の国東大宮メディカルセンターや虎の門病院において検査を行っています。
⇒ MSLT(睡眠潜時反復)検査とは?
背景にはADHD(注意欠如多動症)が隠れていることも
一方で、「覚醒」と「注意」の脳内メカニズムに非常に近いものがあるため、日中の眠気の背景にADHD(注意欠如多動症)の症状がある場合もあります。このようなことが疑われる場合には眠気だけでなく、注意に関わる問診や質問紙検査なども行っていただきます。
⇒ ADHD(注意欠如多動症)の日中の眠気
⇒ 注意に関わる問診や質問紙検査はどのようなものですか?
正しい診断と治療
すなおクリニックでは、これらの問診・検査のプロセスをへて、適切な診断を行い、正しい治療を行います。