2週間の長時間睡眠とはどのようなものですか?

睡眠不足症候群の可能性

「日中の過度の眠気」を主な訴えとして来院する患者さんは多くおられます。このような方の中には、「慢性の睡眠不足」の方も多くおられます。例えば、平均睡眠時間が5時間以下であるという場合、仕事中に居眠りがあるのは、しょうがないことかと思います。こういう場合に、日中の覚醒度をあげる薬物を投与するのは、好ましい治療ではありません。また、平均睡眠時間が6時間位だった場合でも、体質によっては長く寝る必要がある場合もあります。その長さがどのくらいかによって、ときには治療すの対象になることもあると思います。例えば、適切な睡眠時間が15時間だった場合には、社会生活は難しいということになります。こういう場合には、通常の生活では日中の過度の眠気が出ますので、「長時間睡眠を伴う特発性過眠症」といえると思います。しかし、平均睡眠時間が5時間以下の人が、毎日8時間睡眠をとったら大丈夫なのであれば、これは「睡眠不足症候群」と考えても良いと思います。

2週間、長時間睡眠の「実験」をしましょう

このような患者さんには、「2週間、長時間睡眠の「実験」をしましょう」とお話します。こういう言い方をするのは、これまでの経験から「なるべく長く眠ってみましょう」と言ったのでは、うまくいかないことが多いからです。この2週間は特別な2週間で、家族にも会社の同僚にも、医者にそうしろと言われてやらなければいけないという意識を持っていただくわけです。そうすると、「今日は医者から言われているので、早く帰るよ。」と言いやすいということもありますし、「2週間は、お母さんに協力してね。」と、家事を分担してもらうこともできます。

その上で、2週間、毎日でなくても、8時間できれば9時間の睡眠を取ってもらうわけです。その中で、日中の眠気がほぼ改善する人も少なからずおられます。もしそうであれば、これは「睡眠不足症候群」であって、過眠症ではないと考えられます。

たとえ、眠気が戻ったとしても

このようなことをしても、実際には元の生活に戻ってしまうと思われるかもしれません。しかし、実際にこういった経験をすると、眠いのは睡眠不足のせいだと言うことはハッキリ分かります。この経験が貴重なものです。眠いときには、ああ、睡眠が足りないのだなとハッキリ解るわけです。その上で、できるときにはなるべくしっかり睡眠をとるという生活習慣が作りやすくなってきます。

生活時間日誌や熟睡アラーム

普段の睡眠の記録を取っていくことも大事です。当院では、日々の睡眠の様子をきろくする生活時間日誌をつけてもらうようにしています。また、慣れた方であれば、スマートフォンアプリを利用するのも良いと思います。私が開発に協力した熟睡アラームも、非常に便利なアプリです。私も利用していますが、自分の睡眠時間をしっかりと記録しておくことができます。また過去の記録も失われることがありません。

睡眠不足症候群は、稀ではない病態です。日中の過度の眠気があったときには、まずはしっかりと眠るという基本的な考え方は、自分でも実行できるのでやってみましょう。