様々な職場のストレス
職場のストレスには様々なものが有ります。職場の人間関係、仕事の内容が自分に合わない、仕事量が多く時間内でこなすことができない、仕事のオーダーが突然有り順序立てができないなど。このような様々なストレスが長期に渡って続くと、疲労が蓄積し、最初はあった仕事に対する意欲も失われていきます。そして、仕事に行くのがきつい、朝吐き気がある、ひどい頭痛があるなどの様々な身体症状や、睡眠が十分取れないという睡眠障害が出現してきます。
身体症状とうつ
このような身体症状はうつの初期症状である場合が多くあります。この段階で、治療を始めれば比較的早い回復が期待できます。このような状態であっても、資格のある専門医に受診することは大切です。身体症状に比較的効果のある抗うつ薬の投与などが、早期の改善をもたらす場合もあり、薬剤の選択は非常に大切です。
職場への働きかけは?
受診によって行われる治療は、病状をお聞きして薬を投与するだけではありません。診断書を発行し、病状を客観的に仕事場に示すことにより、必要な休息をスムーズに取ることができるようになるということもあります。休みを取るという判断はなかなか自分自身ではしにくいものですが、医師と相談して休職をすすめられ診断書を提出するというプロセスを行うことによって、自分自身の負担も少なく適切な休息を得ることができます。
休職中の生活は?
休職中の生活のペースも大事なものです。最初は十分に休むことが大事ですが、一方で自宅療養によって体力が落ちてしまったり、昼夜逆転に近い生活になってしまったりする場合もあります。このようなことは、その後の復職の妨げにもなってしまいます。このような生活についての指導もいたします。
詳細は 生活から改善するうつ を御覧ください。
産業医、会社人事担当者との関係は?
主治医と産業医の関係も大切です。産業医は、社員のメンタルヘルスを守る立場に有り、職場の人間関係が大きな要因であったり、仕事内容の問題がある場合は職場転換についてのアドバイスがある場合もあります。また、人事担当者も復職後の環境について考えてくれる場合もあります。
当院では、患者さんの希望によって人事担当者などとも面会し病状を説明します。ただし、患者さんの情報はすべて治療上の個人情報として守られていますので、患者さんが話しても良いというものだけに厳密に限って話をするようにしています。
復職プロセスは?
復職についてのプログラムは会社によって様々です。リワークディケアなどを用いる場合もありますが、生活指導の中で、朝起きて図書館に通う、運動習慣を身につけるなどによって、生活リズムや体力をつけ、スムーズに職場復帰ができるようなアドバイスを行っています。これによって、ロバストな寛解を目指しましょう。
詳細は ロバストな寛解とは何ですか? を御覧ください。