MSLT(睡眠潜時反復)検査とは?

(Last Updated On: 2022年10月7日)

MSLT(反復睡眠潜時検査)は過眠症の検査です

過眠症は、日中の眠気が主な症状である睡眠の病気で、これを診断し治療する薬を処方するためにMSLT検査は必要な検査です。MSLT検査をせずに過眠症の薬を処方することは、原則的にできません。

過眠症とは

過眠症は、充分な睡眠を取っているにも関わらず、日中の過度の眠気がある疾患です。仕事をしている最中に寝落ちてしまう、授業中最初の10分起きていれば良い方などということで、社会生活上の困難が有ります。この中には、夜間睡眠の質が、低下しているため(睡眠時無呼吸症候群や、寝ている間に脚がピクピク動くなどの、周期性四肢運動障害など)良質の睡眠が取れないというケースと、良質の睡眠をとっているのに日中眠いという狭義の過眠症があります。狭義の過眠症には、ナルコレプシーや特発性過眠症などがあり、これをしっかりと診断して治療に結びつけることが大切です。このために、MSLT検査は必要です。

検査の進め方

1.当院でのこの検査は、一晩の宿泊を伴いますが、入院検査ではありません。外来で夜間行う検査ということです。このメリットは、入院費がかからず安価である点ですが、デメリットは食事やシャワーが無いという点です。もし入院環境が必要だということであれば、病院を紹介することができます。

2. この検査は、前日の夜のポリグラフ検査から翌日夕方まで丸一日の時間を要する大変手間の係る検査ですので、予約により実施しています。検査の間は、カフェインのなどの睡眠に影響を与えるものの摂取は禁止しています。

3. 初診で来院された患者さんでは、まず詳細な診察によってMSLTが必要な状態かどうかを判断します。MSLT検査の必要な方は、MSLT検査について説明し、検査日を決定いたします。

4. 検査日が決まれば、それまで少なくとも10日間は規則正しい生活をしていただきます。それが仕事や、症状などでできない場合は、どのようにするか相談をする必要があります。

5. 検査当日の夜(前夜の検査)は18時半ころに来院していただきます。来院する際に持ってくるものは、寝間着(ジャージ)、歯ブラシ、タオル等ですが、これらは検査の際に指示いたします。

6. 来院後、現在の状態などを含めた医師による面接を行います。この際に担当技師も紹介いたします。

7.電極を装着し、22時ころから6時ころまでの終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。

8.朝、再度診察し、前夜の睡眠の様子などを伺います。その際に、睡眠時無呼吸症候群が重症であるなどのケースでは、その後のMSLT検査を中止し、まずは睡眠時無呼吸症候群治療をおこなう場合もあります。

9.その後、9時半より2時間毎に4~5回、約20分間の昼寝をしていただきます。

10. 昼食は昼寝の合間に取っていただきます。外出して取っていただいても結構です。

11. 1時間程度の待ち時間が何度もありますが、その間には決して居眠りをしないようにしてください。本や、仕事、勉強道具などを持ってきていただいても結構です。また外出していただくことも可能です。

12. 午後5時あるいは6時ころに終了します。

費用はどのくらいですか

【初診日】初診料および過眠症の診断のための詳細な診察と予約:
3割負担で約3,000円 (再診で予約は約1,500円)
1割負担で約1,000円 (再診で予約は 約500円)

【検査日】 3割負担で、約18,000円
1割負担で、約6,000円

* 他院からの検査依頼では、診療情報提供料が加算されます。
* キャンセルがあっても、その日に他の患者さんの検査をすぐに入れられませんので、万が一キャンセルが必要な場合にはなるべく早く、当院までご連絡ください。