新型コロナウィルス(COVID-19)について

(Last Updated On: 2020年3月17日)

新型コロナウィルスについての情報を、日本プライマリ・ケア連合学会の手引を参考に、一般向けにまとめています。患者様の参考にしていただければ幸いです。

新型コロナウィルス(COVID-19)

新型コロナウィルスは、昨年12月に中国湖北省武漢市で最初に報告のあった新しいウィルスで、現在は治療法がありません。COVID-19は、WHOがこのウィルスに名付けた名前です。多くの人は、治療なしに自然経過で治癒します。しかし、慢性疾患などウィルスへの耐性が弱い人は重篤化し、亡くなる人も居ます。私達ができるのは、このウィルスをなるべく広めないようにすることです。

感染後の経過

最初の7日間

  1. 感染から約 5 日間(1〜14 日間)の潜伏期を経て,
  2. 感冒様症状(発熱,咳,喀痰,咽頭痛,鼻汁等),倦怠感等が出現し,
  3. 一部の患者では嘔吐,下痢などの消化器症状を呈することもあり,
  4. それら症状が比較的⻑く,約 7 日間持続する
  5. 発熱(体温)がそれほど高くないのに倦怠感が強いことがある

症状が、約7日続いたあとは

  1. 約 8 割の患者は,自然に軽快して治癒する
  2. 約 2 割の患者は,肺炎を合併する.特に,高齢者や基礎疾患がある場合は肺炎を 合併しやすい
  3. 肺炎に進展した患者のさらに一部が,重症化して集中治療や人工呼吸を要する

新型コロナウィルス感染症の特徴

普通感冒,インフルエンザ,急性胃腸炎のいずれも,肺炎等の入院を要する状態に至るこ とは比較的稀です. 入院を要するような肺炎を約 2 割という高い確率で合併するのが,新型 コロナウイルス感染症の特徴です.

ただし,新型コロナウイルス感染症であっても発症 7 日以内の早いタイミングで肺炎に 至ることもあるため,慎重に経過を追うことが必要です.特に,高齢者や基礎疾患を有する 患者又は妊娠中の女性では,発症直後に肺炎に至ることもあるため要注意です.

新型コロナウイルス感染症を疑うのは次のような場合

  • 発症から 4 日以上症状が持続する場合
  • 発症から 4 日未満であっても,高齢者,基礎疾患を有する患者又は妊 娠中の女性の場合
  • 経過中に肺炎様の症状(咳、息苦しさ)が出現した場合

逆に言えば,高齢等の条件がない一般の患者様において発症 4 日未満の時点で新型コロナ ウイルス感染症とその他の疾患を鑑別することは,非常に難しいと言わざるを得ません.

感染が疑われたらどうするか。

下記が厚生労働省からの目安です。参考にしてください。

自宅療養の方法

感染が疑われた場合の、自宅療養についてのガイドもこの手引に示されています。

1 症状が軽いときは自宅療養してください
普通のかぜも新型コロナウイルス感染症も,症状が出てから最初の数日は 区別がつきません.症状が出てすぐに受診しても,新型コロナウイルス感染 症と診断することも,違うと診断することも困難です.仮に早く診断できた としても,肺炎になったり重くなるのを防ぐ治療薬などもありません.また, 新型コロナウイルス感染症の大半はかぜのような軽い症状のまま自然に治 ってしまいます.一方で,症状がある時に外出したり受診すると,外出先や 待合室で感染を広めるおそれがあります.
そのため,かぜのような症状が出ても,最初の数日間は受診せず,仕事や 学校を休んで外出を避け,自宅療養してください.自宅療養の期間は,一般 の方は 4 日間,ご高齢の方,持病がある方,妊娠中の女性は 2 日間です.
自宅療養中は,1 日 2 回(朝・夕)体温を測り,手帳やノートに体温と測 った時間を記録してください.
自宅療養に不安があるときは,かかりつけ医療機関に定期的に電話するな どして経過を伝え,担当医のアドバイスを仰ぐといいでしょう.

2 症状が 4 日以上(高齢者,持病,妊娠では 2 日以上)続いたら,「帰国者・ 接触者相談センター(新型コロナ受診相談窓口)」へ電話相談してください
自宅療養を行うと,新型コロナウイルス感染症ではないその他のかぜであ れば,通常は 3-4 日間で自然に治ってきます.もし 4 日以上かぜの症状(発 熱,咳,のどの痛みなど)が続いた場合は,又は 4 日未満でも呼吸が苦しく なるなど悪化する傾向があれば,新型コロナウイルス感染症を疑う必要があります. さらに,ご高齢の方,持病のある方,妊娠中の女性は,新型コロナウイルス感染症が悪化しやすくなります.それらの方々は,かぜの症状が 2 日以上 続いた時点で,新型コロナウイルス感染症に注意する必要があります.
一般の方は 4 日以上,高齢者,持病のある方,妊娠中の女性は 2 日以上, かぜの症状が続いた場合に,「帰国者・接触者相談センター(新型コロナ受 診相談窓口)」に電話で相談してください.

更に、こちらの厚生労働省のサイトも参考にしてください。

新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)

ポイントは以下のとおりです。

1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
2.感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
3.できるだけ全員がマスクを使用する
4.小まめにうがい・手洗いをする
5.日中はできるだけ換気をする。
6.取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
7.汚れたリネン、衣服を洗濯する
8.ゴミは密閉して捨てる