当院で対象とする主な疾患の概要について説明いたします。
下記の、目次をクリックしてください。また、更に詳細な説明が、すなおクリニックQ&Aにもありますので、そちらも合わせて御覧ください。

  1. 睡眠障害一般
  2. うつ病
  3. 躁うつ病・双極性障害
  4. 発達障害(成人期)
  5. 認知症
  6. 不安障害一般
  7. アスリートのメンタルヘルス

睡眠障害一般

不眠症だけでなく、眠すぎるという過眠症、日中の過度の眠気、睡眠時無呼吸、入眠時のムズムズ感、ねごとや睡眠中の起き上がり行動朝起きられない・明け方近くにならないと眠れないなど様々なものが含まれます。こんな症状は、病院に行っても相手にされないのでは、と考える前に是非ご相談ください。睡眠の問題の背景に、他の問題が隠れている場合もあります。

不眠症:眠れないと一言でいっても様々な要因があります。寝付きにくい、夜中に起きてしまう、朝早く起きてしまってまた眠ることができないなど。また、高齢になると頻尿も問題になります。腰痛で眠れないという事もあります。これらの症状について、詳細にお聞きして最適な問題解決をすることを心がけます。
過眠症・日中の過度の眠気:こういったことでお困りの方々も多くおられます。この背景には様々な疾患が想定されますが、これらについて詳細に問診して、適切な治療をいたします。日中の眠気を客観的に診断するMSLT検査(脳波をとりながらの昼寝)の設備も整えています。成人のADHDなどが背景にあることもありますので是非ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群・いびきがひどい・眠っている時に息が止まる:非常に多い疾患です。簡易型ポリグラフ検査(自宅で行える検査)にて診断をし、治療を行います。終夜睡眠ポリグラフ検査(入院して行う検査)が必要なケースには、信頼できる医療機関を紹介して検査を受けていただきます。
ムズムズ脚症候群:布団に入って眠ろうとすると、足、太もも、腰のあたりなどがムズムズする病気です。薬物療法で非常に良くなるケースが有ります。また、背景に他の病気がある可能性もあるので、経過は注意深く見守っていきます。
ねごと・レム睡眠行動障害:夜中に大声でねごとを言う。上半身起き上がる。時に立ち上がる。暴力的な行為をする。などの症状は治療可能です。是非ご相談ください。薬物療法も効果があります。
睡眠覚醒リズム障害:朝起きられない。早く眠ろうと思っても眠れない。あるいは、24時間の睡眠覚醒リズムをうまく作ることができないなどです。生活の指導、薬物療法などによって、治療可能なケースも多くあります。こういったケースは高校生くらいから出現しますが、このようなリズム障害が精神的な問題を背景とする不登校と間違われるケースもあります。
その他:睡眠中の心配な症状があればご相談ください。

 

うつ病

憂鬱感、楽しかったことを楽しめない、意欲がない、不安、焦る気持ちがぬけない、自分がダメだと思ってしまう、消えてしまいたい、体が重くて動かない、体のあちこちが痛む など。これに対して、薬物療法だけでなく、生活面からの指導を致します。

生活指導:まずは、生活の様子、家族とのの関係職場での人間関係、仕事を休めるかどうかなど、それぞれの方の事情をお聞きして、なるべく実情にあった対応を考えます。また、休んだ時にどのような生活をしていくのかなどについて指導致します。例えば単身者であれば朝食をとっていない場合などもあるので、グラノーラなどの朝食でもとるようにした方が良いなど具体的なお話をいたします。さらに、必要な診断書などにも応じます。
薬物療法:必要最小量の薬から調整していきます。一般にうつ病の薬は習慣性や依存性はありません。副作用などの不安には丁寧に説明するようにいたします。また不眠に対しては睡眠を安定させる薬を同時に投与する事もあります。うつ病に対する不眠治療は重要ですので、慎重に薬を選びます。
運動療法:当院では、適応のある患者さんに対しては、うつ病の運動療法を積極的に取り入れていきます。自宅や地域でできる運動療法を指導します。また、今後運動療法プログラムも開発していきます。

 

躁うつ病・双極性障害

うつ状態だけでなく、時に過剰に元気になることがある躁状態も呈する疾患です。躁状態が比較的軽い双極性障害2型もあり、慎重な診断が必要になります。さらには、躁状態は目立たないがうつが繰り返される、双極スペクトラム障害という概念も提唱されています。

薬物療法:薬物療法は必須です。うつ病とは異なった処方になりますので、診断は重要です。慎重に診断した上で、気分安定剤などを用います。
生活指導:双極性障害も規則的な食事、睡眠、運動など生活の改善は大事です。また時に躁状態ではお金を使いすぎたり、誤った判断をしてしまったりすることがあるので、こういったことも含めた生活指導を行います。

 

発達障害(成人期)

発達障害は、必ずしも病気であるとは言えませんが、生活上困っている場合には治療によって改善できる可能性があります。相談しながら良い方法を探していきます。薬物療法が効果がある場合も多くあります。また生活上の工夫で改善できる場合もあります。また薬物療法を行う事によって工夫が実行しやすくなるという事もあります。一方、18歳未満の児童思春期の問題としての発達障害については、児童思春期精神医学の専門の先生を受診ください。睡眠の問題が主体になる場合には、相談を受けられるケースもありますので予めご相談ください。

注意欠如多動性障害:仕事でケアレスミスが多い、忘れ物が多い、ものをなくしやすい、約束時間が守れない、旅行の用意などが苦手、部屋が片付いていない、順序立てて行うのが苦手、会議などで言い過ぎてしまって後悔する、衝動的にものを買ってしまう、じっとしていられない、会議なので座っているのが苦痛である、などが主な症状です。日中の眠気が強い場合も有ります。
自閉症スペクトラム障害:人の言っている言葉の裏の意味が取れない、話が噛み合わない、気持ちがわからず人を怒らせてしまう、世間話などをするのが非常に苦手、人の目線が怖い、一人で居るほうが楽である、一人おこなう趣味には非常に詳しい。などの特徴があって、なかなか社会に馴染めない面がある方たちです。

 

認知症

認知症の正確な診断は治療開始にあたって重要なことです。十分な問診と検査から診断を行います。脳波も測定致しますし、MRI検査も外注して行う事になると思います。更に患者様への対応と同様に大切なのは、介護者が継続した介護ができる環境を作ることだと考えています。こういった相談をしながら、治療を継続するようにしています。

アルツハイマー型認知症:脳にアミロイドベータという物質が蓄積される事が一つの要因となって、結果的に脳が萎縮し働きが低下する事によって、記憶の問題など様々な認知能力の低下が起きる疾患です。薬物療法などの他に介護保険などを用いて、今後どのような生活をしていくのが良いかを相談します。また、継続できる介護についても相談していきます。
レビー小体型認知症:レビー小体というタンパク質が脳に蓄積するためにおこる認知症です。動きにくくなり、転倒しやすいなどの変化の他、実際に無いものが見えるという幻視の症状が特徴的です。
血管型認知症:動脈硬化などがあり脳梗塞を起こしたり細かい脳の血管が詰まる状態を何度も繰り返す中で、認知症の症状が出現してきます。症状が進行していかないような生活の改善が重要です。
側頭前頭型認知症:記憶などの問題の前に、性格の変化などが先に目立つ場合が多い認知症です。パターン化された行動をとるなどの特徴も見られます。
正常圧水頭症:認知症症状、尿失禁、歩行の問題などが出てくる場合には、すぐに治療を行う事によって症状が多くは回復します。したがって、このようなケースでは診断が非常に重要です。正常圧水頭症の患者さんは、脳神経外科に紹介し適切な治療を受けていただきます。適切に治療をすると症状は改善します。

 

不安障害一般

パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、恐怖症、PTSD、などの治療を行います。必要な場合には、認知行動療法施設を紹介致します。また、今後心理士によるカウンセリングや、認知行動療法も取り入れていきます。

パニック障害:急に強い恐怖感に襲われ、冷や汗をかき、動悸もひどくなるというようなパニック発作が現れる疾患です。こういった発作が起きると、自分の身を守る場所を確保したくなりますが外出をしているとすぐにそういう場所が確保できないので、家に閉じこもりがちになる場合もあります。また電車などにも乗る事ができなくなる場合もあります。乗れても、すぐに降りられるように各駅停車に乗るようにする習慣を持つ人も多くおられます。薬物療法などのや認知行動療法などによって治療致します。
社交不安障害:人に注目されるような場面や、偉い人、権威のある人などのまえで過剰に緊張してしまう特徴を持っている人たちです。学生時代は、翌日に発表をしないといけない授業などがあると、決して失敗しないように一生懸命準備を行いますが、それでも時にその回は休んでしまう事もあります。また、仕事では人がいる場所で電話を取ることなども非常にストレスを感じます。このように日々の生活にストレスが多いため、結果としてうつ状態になって来院する事も多くあります。
強迫性障害:鍵を閉め忘れているのではないかという考えに囚われてしまう。道の端を踏まないようにしないといけないという考えに囚われてしまうなどの症状によって生活が障害されてしまうケースや、そんなことは無いだろうと一方で分かっていても誰かに不安を起こさせたり傷つけるようなことをしてしまったのでは無いかという観念が頭を離れなくなってしまうような事が起こります。これによって、生活が制限され時にうつ状態になる事もあります。
恐怖症:特定の対象に対して恐れを感じる事が起こる障害です。対象によって、先端恐怖、高所恐怖、異性恐怖、などがあります。生活に不自由な点がある場合に、治療の対象になります。
PTSD 外傷後ストレス障害(心的外傷後ストレス障害):実際に死んでしまった可能性もある経験をした後に出現してくる症状です。不安で落ち着いていられない、夜間夢となってそのような情景が再現され安定した睡眠が得られない、時にその時の情景がフラッシュバックする、体験をした場所や類似した場所に行く事ができないなどの症状が出現します。

 

アスリートのメンタルヘルス

当院院長は日本スポーツ精神医学会の創始者の一人として、長年オリンピック選手などトップレベルを含むアスリートの医学的メンタルケアをしてきました。当院においても、アスリートの診療を行います。診療ご希望の方はまずはお問い合わせください。また詳細は アスリートのこころの診療とは? を御覧ください。

主な対象疾患は次のようなものです。

オーバートレーニング症候群
パニック障害
摂食障害
心因性の痛み、動きの障害、イップスなど
睡眠障害

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