週刊朝日(薬のやめどき)に院長掲載

週刊朝日に院長が取り上げられました。

内容は、様々な病気で長く薬を飲んでいて、そろそろやめてもよいのではないかという時にどのように考えたら良いのかということを解説した記事です。院長は、睡眠薬のやめどきについて、取り上げられています。その部分を掲載します。

週刊朝日2018年11月2日号(抜粋)

高齢になると深い睡眠が減ることで睡眠の質が低下し、夜中に何度も起きる「中途覚醒」が起こりやすくなる。「加齢に伴い、眠りの質が変化するのは自然なこと。それを若いころのように眠れないと悩むことや、将来への不安から眠れていないと悩む状態が、高齢者の不眠症の問題なので
す。高齢の患者さんに話を聞くと、実は睡眠薬を使うことに漠然とした不安を持っている方が多い。一方で、その薬がなくなったら困るという不安も抱えています」 と話すのは、すなおクリニック(大宮市)院長で精神科医の内田直さん。

内田さんは「薬に頼らない睡眠」を目指し、患者の悩みや状況に応じた助言を行う。最近は、高齢者にある種の睡眠薬を使うとキケンであることがわかってきた。その代表的な薬が、フルニトラゼパム(サイレース)、エチゾラム(デパス)、フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)、ジアゼパム(ジアゼパム、セルシン、ホリゾンなど)などのベンゾジアゼピン系の睡眠薬だ。「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」でも「慎重な投与を要する」としている。複数の研究をまとめた報告では、60歳以上の高齢者では、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使っても十分な利益が得られないと指摘。眠れるというメリットよりも、薬効が残るために生じる転倒や昼間の眠気、もの忘れといったデメリットの方が大きいという。

内田さんもこのガイドラインに沿って、60歳以上の新規の患者にはベンゾジアゼピン系は処方せず、治療継続中の患者では薬を減らしたり、他の薬へ変えたりするよう指導している。「しかし、睡眠薬には依存性があり、変えると眠れなくなる人も多い。そう単純に60歳になったから薬を変えるというわけにはいかない」と内田さん。そのため、今は40、50代の患者であっても慎重に見極めながら、ベンゾジアゼピン系以外の薬を処方しているという。

減薬は患者との話し合いのもとで、運動などの生活指導をしていきながら、少しずつ減らしていく。複数の睡眠薬を使っている場合も同様だ。30年間ずっと睡眠薬をやめられなかった患者が睡眠薬なしでも眠れるようになったという。「もちろん、不眠症を放置したほうがいいというわけではありません。よく眠れることでメリットもあり、全体のバランスを考えて治療方針を考えてかなければなりません」(内田さん)。