オンライン診療について

(Last Updated On: 2018年8月15日)

この項目は、オンライン診療の拡大に伴って、少しずつ書き換えをする可能性があります。

オンライン診療とは

オンライン診療は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを用いて、Skypeのようなテレビ電話機能で、診療を行うものです。注射や傷の手当などは勿論できませんが、精神科・心療内科の診察を、テレビ電話を通して会話し、行うことはできます。

また、厚生労働省は、遠隔地や時間の関係で来院が難しい患者さんを対象に、オンライン診療を認める方針を打ち出しています。2018年度からは一部は保険診療にも取り込めるようになっていますが、通院精神療法などの精神科治療は含まれていません。

すなおクリニック院長は、これまで遠隔医療学会精神科分科会の委員として、遠隔医療について考えてきました。今後、厚生労働省の指針も参考にし、オンライン診療を慎重に導入していこうと考えています。

オンライン診療にはどのような利点がありますか

オンライン診療(遠隔医療)は従来は、離島などの医師のいない(あるいは専門医のいない)場所の専門的な医療をカバーするためのものでした。しかし、現在推進されているオンライン診療は、都市部における医療の便宜をはかることも目的となっています。

利点にはいくつかのポイントが有ります。

  1. 遠方の方へ: すなおクリニックでは、睡眠医学に特化した専門的な診断治療を行っています。このようなクリニックは、近隣にない場合も多く、現在でも非常に広い医療圏から患者様が受診されています。このような場合、診断や治療の安定までは通院をお願いしていますが、一旦症状が安定し投薬もある程度固定した段階で、オンライン診療を導入すれば、時間と交通費を節約する結果になります。これにより、負担のない継続的な医療が可能になります。
  2. 来院のための時間を取れない方へ: 来意の時間が取れない方が、薬がなくなってしまい、生活に支障が生じるということが有ります。このような方に対して、オンライン診療を行い、処方箋を発行するということで、継続した診療が可能になります。すなおクリニックは、このような方に向けて、土日の診療を行ってきましたが、特に、遅くまで残業をしている方、土日も忙しい方は来院が途切れることも有りました。このような方への診療の継続が可能になります。
  3. 経過の殆ど変わりのない患者様へ: 例えば、睡眠時無呼吸症候群の診療などについては、CPAPの使用状況をお聞きするということで、特に問題なければ短時間で一回の診療が終わります。そのためにクリニックまでの往復の時間や待ち時間をとって来院される患者さんの状況を考えると、オンライン診療で状況をお聞きすることで、コーヒーブレイクの間に診療を済ませることができるなど、利点が多くあります。
  4. 付き添いの必要な高齢者の方へ: 高齢者は移動に時間がかかり、また付き添いが必要な場合が多くあります。そのような場合には、付添のご家族がときに年休をとって付き添いにいらっしゃいますが、その時間はご家族との時間に使えたほうが良いと思います。こういった高齢者へのオンライン診療は、有効です。更には、ご自宅の様子がわかり、夜間の介護をしている方からのお話が聞けるなど様々な利点があります。

これらのケースの中で、まずは本当に必要な方少数例から導入を考えています。

どのような方針で

2018年3月9日の厚生労働省の指針(案)では、次のように示されています。

ⅰ 医師-患者関係と守秘義務

医師-患者間の関係において、診療に当たり、医師が患者から必要な情報の提 供を求めたり、患者が医師の治療方針へ合意したりする際には、相互の信頼が必 要となる。 このため、オンライン診療は医師と患者に直接的な関係が既に存在する場合に 限って利用されることが基本であり、原則として初診は対面診療で行い、その後 も同一の医師による対面診療を適切に組み合わせて行うことが求められる。

ⅱ 医師の責任

オンライン診療により医師が行う診療行為の責任については、原則として当該 医師が責任を負う。 このため、医師はオンライン診療で十分な情報を得られているか、その情報で 適切な診断ができるか等について、慎重に判断し、オンライン診療による診療が 適切でない場合には、速やかにオンライン診療を中断し、対面による診療に切り 替えることが求められる。 また、医師は患者の医療情報が漏洩することや改ざんされることのないよう、 情報通信及び患者の医療情報の保管について、十分な情報セキュリティ対策を講 じなければならない。

ⅲ 医療の質の確認及び患者安全の確保

オンライン診療により行われる診療行為が安全で最善のものとなるよう、医師 は自らが行った診療の有効性の評価を定期的に行わなければならない。 また、患者の急変などの緊急時等で、オンライン診療の実施が適切でない状況 になった場合においても、患者の安全が確保されるよう、医師は、必要な体制を 確保しなければならない。

ⅳ オンライン診療の限界などの正確な情報の提供

オンライン診療においては、対面診療に比べて得られる患者の心身の状態に関 する情報が限定される。医師は、こうしたオンライン診療による診療行為の限界 等を正しく理解した上で、患者及びその家族等に対して、オンライン診療の利点 やこれにより生ずるおそれのある不利益等について、事前に説明を行わなければ ならない。

ⅴ 安全性や有効性のエビデンスに基づいた医療

適切なオンライン診療の普及のためには、その医療上の安全性・必要性・有効性が担保される必要があり、医師は安全性や有効性についてのエビデンスに基づ いた医療を行うことが求められる。 また、オンライン診療は、対面診察に比べて、得られる情報が少なくなり得て しまうことから、治験や臨床試験等の安全性の確立されていない医療を提供する べきではない。

ⅵ 患者の求めに基づく提供の徹底

オンライン診療は、患者がその利点及び生ずるおそれのある不利益等について 理解した上で、患者がその実施を求める場合に実施されるべきものであり、研究 目的や医師側の都合で行われてはならない。

すなおクリニックでは

当クリニックでは、厚生労働省の指針にも則り、慎重にオンライン診療を導入していきます。院長は、日本遠隔医療学会の精神科分科会の委員として学会にも参加しており、これまでオンライン診療(遠隔医療)についての十分な情報を持っていると考えています。

このような経験に則り、病状の安定している少数の患者様を対象に、オンライン診療を慎重に導入する考えです。十分に病状が安定している方について、3ヶ月に一度の対面診療(実際にクリニックに来ていただいてお会いする診療)を条件に、今後少しずつ拡大していきます。

現状では、上記の「1.遠方の方へ」に当てはまる方からの導入になると思います。

また、オンライン診療は、指針にあるようにあくまで患者様の希望により行うものです。

どのような人が対象ですか

対象は、病状の安定している方ですが、その場合も3ヶ月に一度は来院していただきます。病状が安定しているということは、長期に薬物の種類の変更がない場合です。その場合も、変更の際は、変更の回とその後のしばらくの診療では来院していただくのが安心だと思います。

最初から(初診から)オンライン診療を行うということはありません。

お薬はどうなりますか

処方箋を郵送いたします。

費用は

費用については、直接診察の場でお問い合わせ下さい。

待ち時間は?

オンライン診療は、通常の診療枠の時間以外の時間に設定いたしますので、待ち時間は短いと思います。また、待ち時間までは、自宅あるいは、それぞれの場所で自由に過ごしていただけますので、時間は無駄にならないと思います。